こんにちは。講師のIshiokaです。
今日は皆さんお待ちかね(?)の「流派や先生によって違うことがあります」シリーズ・第2段をお届けします!
(随分久しぶりとなりましたが、忘れていたわけではございません(笑)
日本のバレエとロシアやヨーロッパのバレエには、決定的な違いがあります。
それは「バレエの発展の歴史の違い」です。
例えばロシアやフランスなどでは、バレエは自国の中で発展し、「ロシア派」「フランス派」という独自の流派を作り上げていきました。
イタリアの「チェケッティ派」などもそうですね。
そのため、アームス(腕)のポジションなどに「1番」「4番」という番号を付けて呼んでも、その国内のバレエ学校・バレエ団ではどこへ行っても通用するため、問題はなかったわけです。
ところが日本では事情が違います。
日本では、バレエは海外からいわば「輸入」されたわけですが、なんと!イタリア、フランス、ロシアなど、複数の国から輸入されてしまったのです。
そのため
「チェケッティ派では第3アラベスクはこうだけど、ロシア派では全然違う」
「新しいお教室へ行ったら、前のお教室で教えていたのと違っていて、混乱した」
という現象が、時たま起こります。
番号の付け方だけでなく、同じ名前のパ(ステップ)なのに見てみたら全然違う動きだった、又は違う名前のパなのに見たら同じ動きだった、というのも見られます。
その1つが、レッスンでよく使われる「パ・ドゥ・シャ」というジャンプです。
日本で「パ・ドゥ・シャ」といえば、ほとんどの方がこれを思い浮かべるのではないでしょうか?
これは、チェケッティ派の「パ・ドゥ・シャ」です。
これに対してロシア派の「パ・ドゥ・シャ」は、ドン・キホーテの「キューピッドのヴァリエーション」の後半に出てきますが、クロワゼの5番から両脚を後ろの脚→前の脚の順に斜め後ろに、膝を少しアチチュードに曲げたまま投げ上げるジャンプです。
皆さんの知っている「パ・ドゥ・シャ」とは、少し趣が違いますね。
これは完全に「流派の違い」によるものです。
「あれ、この先生のパ・ドゥ・シャって、全然違うなあ?」
と思うことがあっても、「その先生は間違っている」ということにはなりませんので、ご安心を!